鈴木金融相がビッグモーター問題に言及　「法令に基づき適切に対応」

鈴木俊一金融担当相は7月21日の閣議後会見で、中古車販売大手のビッグモーター（東京都港区）が不正に保険金を請求していた問題に触れ、「保険契約者保護に欠ける悪質な問題が認められた場合、法令に基づいて適切に対応する」と述べた。損害保険代理店である同社に対して、金融庁が事実関係を調査しており、行政処分となる可能性もある。

同社は7月18日、外部専門家で構成された特別調査委員会による調査報告書を公表。事故車両を修理する板金部門において、車両入庫時の確認段階で新たに損傷を作ったり、損保会社との協定段階で実際に施行された種類と異なる内容で協定見積書を作成するなどの不正を働いていたことが明らかにされた。

保険契約者によっては、保険適用により等級が下がり、保険料が実質的に値上がりしたケースもあったとみられる。ただ、調査は一部のため、全容が判明するには時間がかかりそうだ。

損害保険会社では、ビッグモーターへの返金請求と、契約者の等級回復へ動き出している。金融庁は、一部報道で大手損保の出向者が同社で受け入れられていたことについても事実関係の確認を進めているという。