【インサイト】レイ・イージス・ジャパン 青木登 代表取締役社長
2023.07.07 15:50
AIで早期に脆弱性発見
人工知能(AI)を活用したシステムの脆弱性診断のほか、ペネトレーションテストといったサイバーセキュリティー対策を提供するレイ・イージス・ジャパン。サービスは、本社がある台湾ではほとんどの銀行に提供するほか、欧米の大手金融機関や日本の一部都市銀行、8地域銀行、10信用金庫が利用している。日本法人の立ち上げから携わる青木登(66)社長に事業について聞いた。
――サービスの特徴は。
「AIを使いシステムの脆弱性を探す。また、台湾本社では、ホワイトハッカー300人を正社員として雇用し、ペネトレーションテストの品質を保っている。創業者が米国の銀行にサービスのプレゼンテーションをした際には、事前にAIにより見つけたセキュリティーホールからシステムに侵入して見せたこともある」
――AIを利用するメリットは。
「システムやウェブサイトの脆弱性診断をする際、時間をかけずに結果をフィードバックできるのが最大のメリットだ。銀行ウェブサイトの事業紹介といった単純なものなら50ページ分の診断を1日で完了でき、内容が複雑で3000ページ程でも1週間程度しかかからない。また、多くの人手を必要としないため、同業他社に比べて半額ほどで提供可能だ」
――今後の目標は。
「3年以内に地域銀行の半分以上に、信用金庫でも100先の導入を目指す。現在も複数の案件が進んでいる。これまで国内では21先の金融機関で実績があり、サービス導入のノウハウも蓄積できているので安心して利用してほしい」
――金融機関のセキュリティー対策は。
「日本の金融機関は、よく対策がされている。国内の製造業に比べてセキュリティーホールの検出数は格段に少ない。しかし、外部とは常時、接続していない、いわゆるスタンドアロンのシステムに脆弱性が隠れているケースがある。巧妙化するサイバー攻撃に対応するため、弊社サービスでより強固な対策を準備してほしい」
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