【インサイト】SAS Institute Japan 手島主税 代表取締役社長
2023.06.30 04:50![](https://img.nikkinonline.com/wp/wp-content/uploads/2023/06/ONSAS社長.webp)
SAS Institute Japanは、金融機関向けに多様な分析ソリューションやサービスを展開する。最近は、リスク分析の領域を強化し、大量のデータから不確実な危機を予測するサービスを提供。また、新たに保険業界にも注力している。2023年4月に就任した手島主税代表取締役社長に事業戦略や抱負を聞いた。
――現在の主力事業は。
「金融機関を主要業界に、リスク管理やコンプライアンス対応に注力している。マネーロンダリング対策などで採用が多いが、最近は分析領域のニーズが増えている。弊社は、統合リスク管理のプラットフォームを開発するカマクラコーポレーションを22年に買収するなど、リスク分析領域の体制を強化してきた。また、保険業界向けの製品もそろえ、幅広い事業に取り組んでいる」
――事業の強みは。
「米国の銀行破たんにみられるように、金融界は前例がないほど多くの危機に直面している。日々の流動性リスクを注視する重要性が増しており、銀行向けにデフォルトリスクを日次で算出・配信するサービスを提供中だ。また、多様なデータを一つに集約し、共通基盤から複数の業務に対応した分析や予測シナリオの展開を目指している。さらに、保険会社には国際資本基準(ICS)などの規制対応や、アクチュアリー向け分析ツールの提供といった新たな顧客の創造も行う」
――経歴と抱負は。
「日本HPなどIT企業で営業や事業の立ち上げを経験してきた。SASは46年の歴史があり、人材も多様だ。次世代の人材を育成し、人間主導のイノベーションを実現していきたい」
――コロナ禍後の金融機関の戦略は。
「社会はコロナ禍前の状態には戻らないと思う。営業では店舗を生かし、来店を通じて距離を価値に変えることが重要だ。また、手続きなどのデジタル化が急速に進み、データが多く蓄積された。これらを分析し、新たな価値に変換していくことが必要だと思う」
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 地銀、「生活基盤プラットフォーム」正式決定 25年2月から開始 住所変更など
- ひろぎんHD、サイバー攻撃対策を事業化 金融系初の体験型施設
- 信金、公金預金戦略が岐路 入札金利上昇で撤退も
- 金融庁、マネロン検査継続 基本的な態勢整備徹底へ
- SBIHD、酒造会社の投資で地銀と連携 ファンド規模1000億円を視野に
- デジタルキャンプ、初の女性コンサル研修 グループワークで「リアルな声」
- 百十四銀と伊予銀、ウェルビーイング取り組む意義は? 女性人事部長同士で対談
- 肥後銀、CO2排出量算定システムを2000先が利用 地域金融機関に推進へ算定・開示対応も
- 東栄信金と足立成和信金、新金庫名は「したまち信用金庫」
- 【都市対抗】明治安田、前回準Vヤマハにコールド勝ち 終盤に打線爆発