いまさら聞けない時事用語 AIブーム
2023.06.25 04:30
現在は、第3次AI(人工知能)ブームの真っただ中にある。1950年代に第1次ブーム、1980年代に第2次ブームが起こったが、いずれも過度な期待に対して技術や成果が追いつかず、その後に「冬の時代」を迎えた。だが、2000年代から始まった第3次ブームは、過去2回のブームとは異なる展開を見せている。 第3次ブームを巻き起こす原動力となった技術革新には、ビッグデータ、機械学習、ディープラーニング(深層学習)の3つがある。
「ビッグデータ」とは、インターネット上に存在する巨大なデータ群を指す。人間が全体像を把握することは困難だが、その膨大なデータを機械に学習させて画像認識や将来予測などのモデルを自動的に構築するのが「機械学習」だ。その進化版である「ディープラーニング」は、学習の仕組みに深い階層を持たせることで、分析精度が飛躍的に高まった。
昨年から急速に広まった生成AIは、第4次AIブームの始まりを予感させるほどの潮流を生み出しつつある。シンギュラリティ(技術的特異点)は、AIが人類の知能を超える転換点を示す言葉だ。現状では2045年に転換点を迎えるとの予測が最も有力だが、ブームの盛り上がりに伴ってAI関連の研究開発費が世界的に膨らめば、転換点到達が早まる可能性もある。
金融界では、不正取引の検知やローン審査、マーケット動向を予測した自動トレーディング、顧客の問い合わせに対する自動応答などにAI技術が活用されており、今後も応用分野が急速に拡大していくのは間違いないだろう。