奈良県信保協、専門家派遣の実態調査　「誠意・熱心さ」評価

奈良県信用保証協会（松谷幸和会長）は、2022年度に実施した「なら専門家派遣事業『育み』」の効果を実態調査した。企業の課題に応じて中小企業診断士やその他専門家を派遣した企業にアンケートし、同事業の評価を聞いた。

調査では、中小企業診断士について「誠意・熱心さ」を評価する声が多く、総合的評価は平均16.49点（18点満点）と高かった。

「フードコーディネーター」の派遣は好評だった。商品の見せ方、新商品作りのほか、経営戦略やブランディングなどへの助言が役立った。多店舗展開する飲食店では、従業員への教育などで徐々に成果が出ているという。

一方、改善点では高度な専門性を望む声や派遣スピードの向上を求める意見があった。

同信保協は、今回のアンケート結果や企業のヒアリングシートを参考に23年度の事業を改革に反映させる方針。派遣コースの新設（SNS対策コース）や、相談内容に応じた最適な相談回数の設定（2～8回）など経営支援を強化する。

奈良県信保協の担当者は「今後も専門家と協力しながら地元企業の経営を支援していきたい」と話した。