南日本銀が新中計、人的資本経営実現に注力
2023.05.31 23:24.jpg)
南日本銀行は、2023年度から3カ年の第1次中期経営計画「インテグリティある組織への変革」を開始した。公的資金完済後初の中計で、1月に再定義したパーパスやコーポレートメッセージなど企業理念を前面に打ち出した。5月31日に公表した。
計数目標は、25年度末までに単体ベースでコア業務純益28億円、当期純利益12億円などを目指す。
重点戦略では、①中小規模事業者向け専門の金融機関としてのビジネスモデル構築②経営戦略と人材戦略の融合による人的資本経営の実現③人事・育成・評価制度の見直し④組織改革・店舗戦略による重点分野への経営資源再配置⑤業務改革によるコスト圧縮と適正投資――を掲げた。
人材については、目標や評価のあり方を再構築することを盛り込んだ。既に中計開始に合わせて、店舗表彰の制度を廃止した。育成面では、外部への行員派遣を強化してスキルアップを図り、金融業以外のノウハウや見識を身に付けてもらう。また中小企業診断士など専門資格の取得支援や行内の研修制度も充実させる。
行員が自発的に考えて行動できる組織づくりにも取り組む。例えば、会議や顧客訪問時などさまざまな場面で「対話」をキーワードに、①正解・結論を求めない(心理的安全性の確保)②勇気を持って違和感を共有する③批判を述べるのではなく、課題と自己の意見を示す――という以前からある行内ルールを明文化した。
新中計は「(同行の)あるべき姿の具現化に向けた変革のステージ」との位置づけ。パーパスである「〝つながり〟の強さで、地域の輝く未来をつくる」を軸に、トライアンドエラーを繰り返しながら変化に対応していく方針を打ち出した。
関連記事
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 福井銀、野村証券と包括提携2年 預かり残高5000億円超
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- メガバンク、上場廃止増えLBOローン好調 三菱UFJ銀は管理高度化
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%