武蔵野銀、「ふる納」魅力向上へ研究会 自治体職員向けに
2023.05.30 18:57
武蔵野銀行は5月30日、自治体の職員らが「ふるさと納税」の魅力向上策を学ぶ研究会を開催した。かつて自治体職員として、ふるさと納税寄付額全国1位の実績に貢献した企業経営者ら3人を講師に招き、地域に対するファンをどう作るかのポイントなどを学んだ。
会場は同行本店ビル2階で、コワーキングスペースやカフェなどを備える地域創生スペース「エムズスクエア」。埼玉県や埼玉県内各市町などのふるさと納税担当者ら約40人が、対面とオンラインで参加した。
講師の1人は、自治体向けコンサルティングやマーケティング支援、地域プロモーションなどを手掛ける「ローカスブリッジ」(長崎県平戸市)代表の黒瀬啓介氏。平戸市職員時代に同市のふるさと納税を担当し、2014年に寄付額全国第1位を達成した。
黒瀬氏は「自治体の情報発信は返礼品情報ばかり。寄付金の使途を集まってから考えている」などと、金額にとらわれた現状を指摘。「『都合のいい財源』から、『未来への投資のためのもの』に変えていかなければ。生きたお金にできるかは自治体次第。どんな人に、自分たちの街に関わってほしいか、明確なターゲットを持ったファンづくりも必要」と強調した。
このほか、ふるさと納税の管理システムを手掛ける事業者が、寄付や控除、配送管理の概要・要件、自治体へのシステム導入例、オンライン上でのワンストップ申請の仕組み・利用実績などを解説した。
武蔵野銀では「埼玉県の人口は多く、県外自治体に寄付する側になりがち。税収の多寡だけでなく、魅力の発信を地域活性化につなげていく活動が重要」(地域価値創造室)と話す。