【推薦図書】『元国税庁長官の俗物的料理日記 食欲とぼやきと蘊蓄と時々慨嘆の日々』(中原広著)
2023.05.26 04:45
【推薦者】信金中央金庫常務理事・室谷武彦氏
脱男子厨房に入らずのすすめ
現代は、日本人男性も世界レベルの家事メンにと家事・育児時間の倍増を目指そうと唱えている時代です。本書は、こうした時代に先駆け、信金中金の中原副理事長が、20年以上も前から自ら実践されてきた週末料理に関するレシピと教養・ユーモアにあふれたエッセイを執筆し、財務省勤務時代から本省広報誌に連載してきたものをとりまとめたものです。
週末料理については、毎回、冷蔵庫の余りものなどを工夫し、さらに家族の好みにも気を使いながら料理してきた様子がユーモアたっぷりに描かれており、また料理に合わせた多種多様な酒類も紹介されており、こちらも大いに参考となります。また、私自身が、地方出張時などに何気なく食していた料理名の由来なども描かれており、感心もさせられました。
エッセイも、落語、演劇、歴史、映画、時代劇、財政・外交問題まで、その蘊蓄(うんちく)が豊富な語彙(ごい)で語られ、知的好奇心が旺盛な諸氏を満足させることは間違いないと思います。なお、古書を含めて推薦図書となりうる本のエッセンスも多数紹介されています。
最後に、家事というものをほとんど行ってこなかった私にとっては、少なからず行動を変容しなければと、痛感させられる一冊となりました。
(霞出版社、税込み2200円)
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