大阪シティ信金、松下部長が金融データ活用コンペで上位入賞
2023.05.24 11:50
大阪シティ信用金庫(大阪市、高橋知史理事長)の職員が、金融データ活用推進協会(FDUA)の第1回データ分析コンペティションで上位入賞した。個別信金職員としては唯一の上位入賞。5月23日、FDUAの岡田拓郎代表理事から表彰された。
入賞したのは総合企画部の松下直樹部長(48)。同コンペ「第1回金融データ活用チャレンジ」は、1月から3月に開催。シグネイト社のプラットフォーム(PF基盤)を用いて、精度を競った。
テーマは、110万件の住宅ローン契約者データを用いた「延滞者予測モデル」の構築。参加者は何度でも自分のAIプログラムをPF基盤に投稿して精度を高めることができる。今回は金融機関のほか事業会社や大学など100機関・1600人超が参加し、1万2286件の投稿があった。
大阪シティ信金の松下氏は、金融業界・地域金融機関部門で10位入賞(全体で124位)した。与えられたデータに加えて、「流動性の前月差」などの特徴量を加えて精度を高めた。松下氏は「プログラムを組んだのは今回が初めて。仮説を考え精度を上げる行程は、地道な作業だった」と振り返った。
同信金からは36人がプログラムを作成して出場。同信金は、その中の上位10人を特別表彰した。高橋理事長は、「課題解決金融機関を目指し取り組むなかで、AIやデジタルは必要になる。意識醸成の意味でも管理職などに参加してもらいたかった」と語った。

FDUAの岡田代表は、「プログラムを最終投稿した職員が24人もいたのは驚きだAIを駆使できれば組織、人材が変わる、その次は地域経済が活性化する。そんな循環を作ってほしい」と話した。
FDUAは金融データの活用促進に特化して2022年に発足。メガバンクや地方銀行など140機関が加盟する。金融機関が今後扱うデータの標準化や分析人材の育成、成功事例の共有などに取り組んでいる。
(訂正)2段落目の松下直樹部長の年齢を48歳に、また一部表現を訂正しました(2023年5月24日11時50分)
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 福井銀、野村証券と包括提携2年 預かり残高5000億円超
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- メガバンク、上場廃止増えLBOローン好調 三菱UFJ銀は管理高度化
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%