中小企業の34%「人手不足」、確保に「時間かかる」 大阪シティ信金調査

2023.05.19 20:09
調査・統計
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大阪シティ信用金庫は5月19日、「中小企業における人手不足の実態と対応策」の調査を発表した。全体の人手不足感は、前回調査の2021年比較で18.6%増の34.4%に強まっている。人手不足感はコロナ禍前並み(19年、33%)で、「適正」とする企業は64.5%だった。


調査は4月上旬に大阪府内の取引先1400社に実施、1317社(94.1%)の回答を得た。


全体での人手不足の深刻度は、「かなり深刻」が12.1%、「やや深刻」が59.9%で合計は72.0%。業種別の深刻度(前2項目合算)は、サービス業が80.0%でトップ、運輸業76.7%、製造業76.4%、建設業73.3%と続く。規模別では、50人以上が同64.0%で、49人以下はすべて70%台。小規模先ほど深刻度は高くなっている。


人手不足の悪影響としては、「受注機会の逸失」(71.5%)が最も多い。人手不足への対応としては、「従業員を募集」の73.5%が最も多く、「現人員で対応」(33.0%)「外注活用」(27.2%)「省力化・効率化」(18.3%)と続く。


他方で、従業員確保については、70.1%が「時間がかかる」とみており、「かなり困難」は前回調査比9.4ポイント増の24.9%に増えた。「かなり困難」と答えたのは、建設業、運輸業、サービス業など。


人手確保策として、就労時間の短縮、有休休暇の拡充など「雇用条件の改善」(55.0%)や「賃金の引上げ」(49.1%)などの回答があった。


大阪シティ信金は「人手不足は業績に営業するなど経営課題となっているが、解決は難しい。23年調査で45.5%の取引先が賃上げを行った。一方で、採用の強化より働き方改革を進めて、人手の定着を重視している」と分析する。

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