京都中央信金、顔認証端末2500台導入 25年めど顧客の入出金に利用
2023.05.18 19:43
京都中央信用金庫(京都市、白波瀬誠理事長)は5月18日、ほぼ全職員に当たる2500人のパソコン(PC)を顔認証技術搭載のものに刷新した。顔認証を採用することで紛失などによるなりすましがなくなり、これまでより多くの情報を外出先で閲覧できるようになる。また、2025年5月を目途に、顧客の入出金に顔認証を採用する方針であることも明らかにした。
採用したのは日本電気製の顔認証技術。金融機関が業務用PCのログインに顔認証を採用するのは珍しく、従前はICカードと個人パスワードを使っていた。
今回の端末刷新で、本部職員は据置型PCをモバイルノートPCに、営業店は据置型PCとタブレット端末をタブレット型PCに更新。新端末はシンクライアント方式で、パソコン内にデータが残らない仕組み。これまでは顧客宅など本支店の外でのアクセスには閲覧データに制限があった。PC起動時のセキュリティーが高まったことで、今後は外出時の利用にも制限をなくす。職員の会議、研修にも利用できる。自宅での業務利用は解禁していない。
また、25年5月を目処に顧客の入出金や住所変更など、印鑑が必要な取引や諸届に顔認証を導入する方針。詳細は未定だが、印鑑が不要になりペーパーレス対応を広げていく。
同信金の松室宏明・執行役員システム部長は「紛失や盗難などでの情報流失リスクがあったが、顔認証を導入したことでセキュリティを高められる。タブレットPCへの機能追加など用途拡大を検討しペーパーレス化・業務効率化を進めたい」と話した。