3メガグループ、チャットGPT実用化へ 独自のAIモデル構築
2023.04.12 04:50
3メガバンクグループが自然な文章を生成する人工知能(AI)「Chat(チャット)GPT」の実用化に向けて動き出した。各社は日本マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」上でChatGPTを導入し、実証実験を開始するなど、AIによる文章生成技術の活用法を検討する。情報収集や資料作成など社員の業務効率化をはじめ、手続きや情報照会といった顧客対応支援への応用を目指す。
ChatGPTは米「OPEN AI」社が開発したAIサービスで、大量の言語データを学習させることによって従来のチャットボットよりも高度かつ自然な文章を作成することが可能になる。3メガグループは社内ネットワーク内に開発環境を整え、社内規定や取引先データなどを取り込みながら独自のAIモデルを構築する。
三井住友フィナンシャルグループは4月11日、日本マイクロソフトおよび日本電気(NEC)と共同で、AIアシスタントツール「SMBC-GPT」の導入に向けた実証実験の開始を発表。導入当初は約600人の本部社員が利用するプロトタイプをつくり、文章作成や要約など業務支援に活用する。23年度上期中に三井住友銀行の全行員へ利用を広げる方針だ。SMBC-GPTはSMBCグループが持つ独自情報を利用し、日本総研とNECが回答精度を高めるためAIモデルの調整・最適化を行うもので、自然言語だけでなく画像や音声認識などへの対応も検討している。
三菱UFJフィナンシャル・グループは、ChatGPTの有用性と安全性を見極めたうえで業務に取り入れ、生産性や顧客提供価値の向上につなげる。具体的には、今夏までに社内ネットワーク内に行員が利用できる環境を構築し、現場の声を反映したユースケース(稟議書作成支援や事務手続きの照会対応などを想定)の発掘を目指す。また、企画書作成やシステム開発の効率化・自動化などでの活用も検討し、将来的にはグループ内のさまざまな情報を取り込んで独自のAI構築も視野に入れる。
みずほフィナンシャルグループは、セキュリティー要件を確認しながら社内への導入を検討。金融に関するデータ収集やプログラミングのコード生成での活用を想定する。
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