兼業制度で小説家デビュー 経験もとに思い込める 高知銀の西田さん
2023.03.20 04:50
高知銀行の行員が兼業制度を活用して小説「イッツ・マイ・ライフ」を出版した。事務システム部の西田泰士さん(58)が、入行から約30年超の行員生活をもとに描いた物語だ。3月に文芸社から自費出版し、全国約150の書店に並んでいる。
読書が好きで、新しいことに挑戦したいとの思いから2022年1月に執筆を開始。5月に開催された文芸社の出版相談会への持ち込みを機に、家族や会社の同僚、役員からも背中を押され、自費出版を決断した。
小説家としてのスタートに、西田さんは同行へ兼業申請を提出。6月には稟議(りんぎ)が下り、文芸社と契約、刊行へ向けて動き出した。
物語の中心は架空の銀行「横浜みらい銀行」箱根支店へ次長として赴任した弘田恒星。57歳の主人公を取り巻く年下支店長や同僚とのリアルな支店環境と、趣味のパスタづくりや俳句会での交流などの私生活を織り交ぜながらストーリーが進む。ロシアのウクライナ侵攻や円安の加速など、現実世界とリンクさせている点も臨場感を高めている。
主人公は資産運用に強い関心を持ち、市場動向のチェックを欠かさない。西田さん自身も資産運用に力を入れており、積み立て型投資の重要性を伝えたいという思いも物語に託した。また、高知県出身という主人公の設定にも、西田さんの地元愛が垣間見える。
西田さんは、幅広い世代に手に取ってもらいたいとしたうえで、「金融教育という意味でも、特に若い人に読んでもらえたらうれしい。2作目にも挑戦できたら」と笑う。
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