全銀ネット、次期システム大枠固める API初期200先想定
2023.01.13 04:50
「全銀システム」を運営する全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は、次期システムについて、スケジュールなど大枠を固めた。富士通製の現行機メインフレームが2030年度に販売終了、35年度には保守も終了することも踏まえ、27年稼働の次期システムはオープン化する。接続方式は、現行システム稼働中の25~26年にAPI(データ連携の接続仕様)ゲートウェイのサービス提供を開始。次期システムでは以前からのリレーコンピューター(RC)接続と併存させ、将来的にAPIに一本化する。1月中旬には全銀ネットの有識者会議で報告し、3月までに基本方針を取りまとめる。
「システムの世界では、通常はトレードオフの関係だとされている、安全性・効率性・柔軟性の3要素の両立を目指す」(千葉勇一企画部長)のが基本理念。持続可能なシステムにするため、メインフレームからオープン化に舵を切る。ベンダー選定には、製品の実績や確実・継続的に保守が受けられることを重視。特定のベンダーに依存しないことにも留意する。
接続方式は17年から提供中の「RC17」が29年に終了予定で、23年から順次、「RC23」に移行。RC23の提供が終了する35年までにRCを廃止し、APIゲートウェイ方式に一本化する。
APIゲートウェイは、初期構築時は最大200機関程度の利用を想定しつつ、システム増強・更改時に拡大できるように拡張性を確保する。22年12月の加盟銀行と資金移動業者向けアンケートでは、APIゲートウェイの開始時期について、25年上期、同下期、26年上期、同下期のいつが望ましいか意向調査。結果を踏まえ、23年1月下旬にもサービス提供時期を確定させる。
次期システムの構築では、テレ為替処理など基本機能は現行方式を踏襲して開発リスクを抑制。一方、あまり利用されない機能はスリム化する。
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