SBIHD、承継2号ファンド14行庫出資 25年には累計1000億円へ

2023.01.07 04:38
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SBIホールディングス(HD)は、子会社のSBI地域事業承継投資を通して後継者難企業の事業承継に貢献する。1月6日、事業承継の第2号ファンドへの出資総額が300億円に達して募集を完了した。出資者は地域金融機関14行庫およびSBI新生銀行、三井住友信託銀行、明治安田生命保険のほか、地域経済活性化支援機構や事業会社など。109億円で設立した1号ファンドは2022年9月までに投資を終了。25年には600億円の3号ファンドを立ち上げる計画で、累計投資額1000億円規模への積み上げを目指す。


中小企業庁の試算によれば、25年までに70歳を超える中小企業経営者約245万人のうち半数が後継者未定で、その経済規模は約22兆円。SBIは、地域金融機関の取引先からファンドへの紹介を受けて事業を健全化し、エグジットを進めている。


1号ファンドは13社へ投資。内訳は調剤薬局が9社、そのほかは米卸売りやビルメンテナンス会社など。1号ファンドで出資した調剤薬局のI&Hが、9社(売上合計約200億円)の調達コストを下げるなど経営を支援。その結果、粗利益率は3・4%増加し、経常利益は7億円改善した。


米卸売業者の案件は、清水銀行が取引先を紹介。20年12月に投資し、同行も融資で支えるなど事業承継につなげた。


ビルメンテナンス会社は、福島銀行の取引先。ビル管理でノウハウを持つ綜合警備保障と協調して22年9月に投資した。同社はこの案件をきっかけに、2号ファンドの出資にも参加している。


1号ファンドはこれまでに約60%を回収・分配済で、このうち約4分の1がキャピタルゲイン(売買差益)だ。「現在まで回収した全ての案件が高い投資パフォーマンスを実現」(今井章・SBI地域事業承継投資社長)したという。


2号ファンドは事業承継に関連して酒蔵やシステムインテグレーターの支援を課題におく。地域金融機関を通して投資・支援対象を募り、経営をテコ入れすることで地域経済への貢献を目指す。

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