【PR】第2回 伝統を武器に、新しい発想を～織ネームメーカーの新本社建設をサポート

商工中金は地域の中小事業者の事業継続・安定化をはじめ、地域金融機関の皆さんと幅広い分野で連携し、地域活性化に力を入れています。シリーズ「商工中金×地域金融機関　＃ともに支える　私たちのストーリー」の第2回は、商工中金の福井支店が福邦銀行と協調して、織ネーム（ブランドタグ）を製造・販売する松川レピヤンに対し、製作体験施設やアンテナショップを併設した新本社の建設をサポートした事例を紹介します。



■織ネームの生産が日本一の福井県丸岡町
織物工場が多く存立する福井県坂井市丸岡町。同地域は織ネームの産地で、生産量は国内シェア7割と日本一を誇ります。「ブランドの顔」となる織ネームは、高い技術により文字やイラスト、写真なども多色できめ細かく再現できるため、高品質を求める一流ブランド服飾メーカーなどから高い評価を受けています。

松川レピヤンは1925年に創業した織ネームのトップメーカーです。約100人の従業員を有し、若い世代が多く働く、活気に溢れた企業です。社名の「レピヤン」は、織機の「レピア」と織り糸を意味する英語「ヤーン」に由来しています。

同社の歴史を遡ると、1985年に、欧州で登場した「レピア織機」を２台導入しました。当時、１台の価格が同社の年商に匹敵するほどの高価な織機で、導入は大きな決断でしたが、幅広の織物が織れることや色使いの多様さが評価され、国内外の企業からブランドの顔となるロゴマークの注文が殺到。レピア織機は、現在も同社の成長に大きく貢献しています。

■繊細で美しいお守り袋が、新たな主力事業に
商工中金と松川レピヤンのご縁は2007年に遡ります。設備資金をはじめ、リーマン・ショックやコロナ禍なども継続的にサポートし、長年良好なお取引を続けています。

2000年代に入って、同社はお守り袋の生産を始めました。2008年のリーマン・ショック後の不況期でも、お守り袋の売上だけは落ちなかったそうです。1973年のオイルショック時に危機的経営状況に陥り、工場の立て直しにご苦労された社長にとって、「お守り袋」は不況に強い企業体質を作り上げる、鍵となる商品となりました。

好調なお守り袋の生産を受け、同社は織ネーム等の製作体験施設と、アンテナショップを併設した新本社の建設を計画しました。これにより、お守り袋の増産体制の整備や、増設・増築で複数の工場に分散していた事務やデザインなどの機能を新本社に集約することができます。旧本社の建物にはお守り袋の製造機械を増設し、生産能力を年200万個に倍増する予定です。




■福邦銀行ともに金融サポートを実施
商工中金は松川レピヤンからの相談を受け、地元金融機関で同社のメインバンクである福邦銀行と連携し、新本社施設の建設に伴う金融面や事業計画の策定等をサポートしました。

商工中金は、現地訪問や経営者ヒアリングを通じた綿密な事業性評価を行い、事業の強みや財務上の課題を共有。経営面では、独立行政法人中小企業基盤整備機構と連携して、ハンズオン支援事業を活用した中期事業計画の策定や販路開拓支援を実施しました。同社の取り組みが、業界の発展に資するだけではなく、織ネームのブランド地位の拡大を通じ、地域活性化に貢献するものと考えました。

福邦銀行は、経済産業省が認定する事業再構築補助金の申請をサポート。同事業は織ネーム業界において先進的な取り組みであり、対象事業にも採択されました。

そして、福邦銀行と商工中金が協調して、本社施設等の建設に必要な資金を融資しました。



■新たな魅力を伝える発信拠点が秋に完成
2022年5月、新本社施設の建設が始まりました。新本社は2階建てで、延べ面積は約2400平方メートル、カフェやオープンスペースなども併設します。デザインには若手社員の意見を取り入れ、社員や近隣の住民、お客様が交流できるオープンな空間としました。

アンテナショップには、リボンやワッペン、マスクといった商品が数百点並ぶ予定です。織ネームの魅力を伝える発信拠点の完成を皆が心待ちにしています。

商工中金は、地域金融機関と手を取り合いながら、中小企業組合や中小企業の皆さまとともに歩んでまいります