地域銀4~6月期 有価証券評価益が1兆4000億円減
2022.08.19 04:45
世界的な金融引き締めに伴う金利上昇(債券価格は下落)を受け、地域銀行の有価証券含み損が拡大している。
地域銀99行は2022年4~6月期決算(単体)で、外国債券など「その他有価証券」の評価益を約2兆4千億円確保したが、22年3月末比では約1兆4千億円分が目減りした。各行では米国債を中心に損失処理を進めながらポジションを一定程度回復させて、ポートフォリオの利回り改善を図る動きが想定される。
6月末では、44行がその他有価証券の評価損益で含み損となった。22年3月末比でみると、95行で有価証券評価額が減少した。米国などの金利は上昇の余地を残しており、地域銀が保有する外債などの含み損はさらに膨らむ可能性がある。
こうしたなか、「米国金利が急上昇し、外債を中心とした有価証券ポートフォリオを健全化」(群馬銀行)、「中長期な安定収益確保の観点でポートフォリオを組み換え」(静岡銀行)などの動きが相次いだ。伊予銀行では「米国の金利上昇を見据え債券の残高を一時的に圧縮してきたが、今後は復元を図っていく」方針。
みずほ証券の岡田凌太クレジットアナリストは「債券売却損の計上が一定程度続くと思われる。資金利益による下支えや株式売却益の計上、経費削減が継続するかがポイント」と指摘した。
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