日銀決定会合、22年度コア物価予測2%超 大規模緩和は維持
2022.07.21 18:13.jpg)
日本銀行は7月20~21日に開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和政策の維持を決めた。21日に公表した経済・物価情勢の展望(展望レポート)では、消費者物価コア指数(生鮮食品を除いた指数)の2022年度予測(中央値)を2・3%とし、物価安定目標の「2%」を上回る見通しを示した。
同レポートでは、22~24年度の物価見通しを軒並み高め、22年度は前回(4月)見通しの1・9%から0・4%㌽上方修正。同年度のコアコア指数(生鮮食品とエネルギーの影響を除いた指数)も前回の0・9%から1・3%に上振れ、その後も需給ギャップの改善などで「プラス幅を緩やかに拡大していく」とみる。
国内景気については、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐもとで「持ち直している」と判断。先行きもウクライナ情勢などを受けた資源価格上昇による下押し圧力があるものの、「回復していく」と見通した。
ただ、2022年度のGDP(国内総生産)成長率は、海外経済の減速や供給制約の強まりを反映し、2・4%と前回から0・5%㌽下方修正した。
黒田東彦総裁は21日の会見で、物価目標の〝安定的な〟達成を踏まえた賃金の現状について「(2%程度のインフレ率に対して伸びが)追いついておらず、もう一段の上昇が必要」と金融緩和の継続姿勢を改めて強調した。金融システムの現状については、米欧金利上昇による債券運用の含み損拡大などに言及しつつ「(海外金利上昇による影響の)範囲は限定的で金融システムの安定性に不安が生じるということはない」との認識を語った。
第一生命経済研究所の熊野英生氏は「物価見通しが上振れて年度を通じた目標達成の見通しが立ったにも関わらず、展望レポートの記述が前回とほとんど変わっていない。物価上昇期待が高まるなか、出口を遠ざけるという日銀の迷走感が強まっている」と分析する。
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