【インサイト】 東郷・レコモット代表取締役CEO

2022.07.22 04:27
インタビュー
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レコモットは、テレワークなどワークスタイルが多様化するなか、端末にデータが残らないリモートアクセスサービスを提供する。北国銀行など50以上の金融機関が利用中だ。東郷剛代表取締役CEO(52)に金融機関のIT環境の現状や導入事例を聞いた。


――金融機関の働き方とIT環境の現状は。


「金融機関では、働き方改革の一環として固定電話廃止や社内IT環境の整備が進んでいる。しかし、既存システムの存在や端末台数の増加によるコストが負担になっている」


――課題解決の方法は。


「自分のデバイスを持ち込むBYOD活用が一つの解決策として検討されるが、セキュリティー要件と社員のプライバシー保護が課題だ。そこで、MAM(モバイルアプリ管理)と呼ばれるサービスを提案している。当社の「moconavi(モコナビ)」では、社員の私用スマートフォンなどにアプリをインストールし、アプリ内から業務用のソフトやメール・ビジネスチャットの利用が可能になる」


――セキュリティーとプライバシー保護対策は。


「アプリ内のコピペ・画面キャプチャを防止し、端末にデータを残さないサンドボックス環境を構築する。アプリケーションのみを管理するためセキュリティーを担保しながら業務と個人領域の分離が可能だ。通話では業務用の電話番号を新たに提供し、1台で二つの番号を使用できる」


――北国銀での成果は。


「2月に社給スマホからBYOD化を推進し、9割以上の社員が移行している。移行に伴い、通信料や端末購入費用の補助制度を新設したが、社給スマホ配布と比べ、ランニングコストは約20%削減している。社員も端末の『2台持ち』が解消され、管理負担軽減につながっている」


――金融機関のDXに必要なポイントは。


「今後、DX推進で時間や場所にとらわれず、多様な働き方ができる環境を整備する必要がある。既存システムと新しいサービスをバランスよく組み合わせて行くことが肝要だ」

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