静岡県信保協、2信金と知財金融を展開 事業者支援
2022.03.25 05:16静岡県信用保証協会(吉林章仁会長)は、全国の信保協で初めて採択された中小企業知財経営支援金融機能活用促進事業(知財金融事業)に基づいて、2信用金庫とともに事業者支援に取り組む。新分野への展開や売り上げ確保策の伴走支援、技術を生かした販路開拓をサポートする。
3月初旬までにサトミ製作所(静岡市)とニチワ(沼津市)に対する「知財ビジネス評価書」、「知財ビジネス提案書」を策定した。
サトミ製作所では、メインバンクの静清信用金庫と伴奏支援を行う。同社は製紙業界向けの生産用機械器具製造業者。紙繊維を効率的に叩解(こうかい)できる機械の製造技術力があり、多数の特許を持つ。技術力を応用した「セルロースナノファイバーを汎用(はんよう)価格で量産可能にする生産技術の研究開発」は、経済産業省の戦略的基盤技術行動化支援事業(サポイン事業)にも採択されている。
ニチワは、梱包(こんぽう)材・緩衝材メーカーとして多数の特許を持ち、空気緩衝材を生かした製品開発を得意とする企業。既存商品の拡販と新たな市場への参入を計画する。
今回の知的金融事業を通じて事業性評価を行い、新たに経営改善計画書を策定したことから、富士信用金庫と協力し金融取引の正常化を実現した。今後は同信金と計画策定後のフォローとともに、技術を生かした販路開拓支援に取り組む。
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