PayPay保険、高額・長期保険を検討 医療保険など視野
2025.04.19 04:35
PayPay保険サービスは、キャッシュレス決済サービス「PayPay」のアプリ上で高額・長期の保険商品の販売を目指す。医療保険やがん保険などから、自動車保険、火災保険まで幅広い商品を視野に入れる。
PayPayの登録ユーザー数は、2025年3月現在で約6800万人。アプリからの保険加入実績は、21年12月のサービス開始から3年3カ月で累計570万契約となった。
これまでは、主に小口・短期の保険商品を販売。熱中症やインフルエンザなどに見舞金を支払う商品を含め、特徴あるラインアップとなっている。直近では、賃貸住宅の火災やコロナ治療薬を対象とした商品もある。
これまでウェブサイトやアプリを通じて加入する「ダイレクト型」の保険会社が損害保険や生命保険の両分野で参入しているが、業績面では対面営業を主軸とする保険会社には水をあけられている。PayPay保険がこの牙城を崩せるかが注目される。
同社は保険代理業だが、単に保険販売を行うだけではなく、保険会社とともに商品を作り上げることが特長。最初にユーザーニーズを徹底的に考えたうえで、自社で保険商品の企画案を作成。それを踏まえて、最適な保険商品や新たに保険商品の認可を取得する保険会社を探すスタイルだ。
商品開発は、顧客接点(UI)を重視。重要事項説明書など必要な部分は残しつつ、入力項目やページ数の極小化を図り、顧客のオンライン手続きからの離脱を抑える。加えて、商品を発売したあとも、最低でも1週間ごとに契約数などの数字を分析し改善を繰り返す。
同社はPayPayアプリ以外にも、検索サイトのヤフージャパンの各種サービスの「組み込み型保険」を販売している。直近では、ヤフーショッピングの中に返品送料保険を組み込んだ。
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