高田幸徳 生命保険協会会長 「変わらぬ安心を提供」
2022.01.01 04:55
生命保険業界を取り巻く環境は、人生100年時代の到来という社会構造の大きな変化の中にある。SDGs(持続可能な開発目標)や気候変動への取り組みなど、持続可能な社会の実現に向けた世界規模の動きが活発化している。そのなかで、いつまでも変わらぬ安心を提供し続けるという生保業界の役割は、これまで以上に重要となっている。顧客に寄り添い、真摯かつ誠実に向き合う姿勢が不可欠であり、顧客本位の業務運営の推進に不断の努力を重ねていく必要がある。
2021年7月の協会長就任時の所信で伝えたように、22年も引き続き3点を軸に取り組む。1点目は、「新しい時代における生命保険業界の役割の発揮」。21年は会員各社において、新型コロナウイルス感染症に関する保険金・給付金を迅速かつ確実に支払うとともに、各種手続きや業務のデジタル化が一気に進んだ。今後、業界全体での危機対応や顧客の利便性向上の一助となるよう、これまでのコロナ禍における対応やそれに伴うデジタル化対応などを報告書にまとめ、春頃公表する。
2点目が、「豊かで健康な人生の実現に向けた貢献」。超長寿社会の中で、一人一人が自ら考え、将来に備えていくためには、金融リテラシーの向上が不可欠となる。多くの方に保険に関心を持ってもらえるよう、保険教育動画を制作しており、2月に動画配信サイトで公開する。3月には、健康寿命の延伸や高齢社会への対応、気候変動対応について、理解を深めるとともに、業界の取り組みを周知するため、SDGsをテーマとしたシンポジウムをオンラインで開催する予定だ。
3点目が、「事業の健全な発展に向けた基盤整備」。ESG(環境・社会・ガバナンス)投融資やスチュワードシップ活動を通じて、投資先企業の企業価値向上や持続可能な経済成長への貢献に向けた取り組みを推進。また、国民が必要とする私的保障の準備を支援・促進するための税制での拡充や内外の金融規制のあり方などについても、引き続き意見を発信していく。
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