マンスリーマーケット(3月) 米国の対外関税、日銀の金融政策に関心
2025.03.03 04:30
3月も引き続きトランプ米大統領の関税を巡る動きに注目が集まりそうだ。
3月4日までいったん延期となったカナダとメキシコに対する25%の関税発動が実施される可能性もあり、市場の警戒感は強い。米国の輸入に占めるカナダ、メキシコの比率は高く、実際に関税発動となれば、経済や企業業績の下押し懸念から、最高値圏で推移する世界の株式市場全体に売り圧力が強まるだろう。トランプ米大統領は、高関税の貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」や輸入自動車への関税強化措置も検討しており、関税に関するニュースフローに引き続き警戒を要しそうだ。もっとも、トランプ氏の掲げる減税や規制緩和への期待も根強く、株価の下値は限られるだろう。
国内では、日本銀行の金融政策の行方に関心が高まっている。その意味では、14日の春闘賃上げ率の第1回回答集計結果が焦点となる。インフレ基調の継続と企業業績の伸びを背景に今回も昨年並みの高い賃上げ率となるとみられているが、その後開催される金融政策決定会合では利上げは見送られる可能性が高い。ただ、会合後の日銀総裁の記者会見で、賃上げの確度の高まりから、市場の想定以上に利上げペースを速めるような見方が示されると、金利の先高観から株式や為替市場が混乱する可能性もあり留意したいところだ。
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