金融界、貸金庫点検が急務に 信金・信組・労金にも波及
2024.12.19 19:55
金融界で、貸金庫を緊急で点検する動きが急速に広まりそうだ。三菱UFJ銀行で元行員が貸金庫から十数億円相当の顧客資産を盗み出した事件を受け、信用金庫と信用組合、労働金庫の業態にも12月18日、貸金庫の管理態勢の強化を促す通達が発出されていたことが同19日までにわかった。同18日に通達を出した全国銀行協会の会員行に続き、預金取り扱い金融機関全体に影響が及ぶ可能性がある。
金融庁は、三菱UFJ銀の元行員が起こした不正窃取事案と同じような事案が起こるのを防ぐため、「貸金庫の管理態勢について改めて確認してほしい」といった内容を信金や信組にも要請した。
通達文では、全11項目の点検項目を例示。全銀協の発出した通達で示された内容とほぼ同じだった。例えば、貸金庫室・貸金庫の開閉手続きや予備鍵(副鍵)保管ルールの点検に関しては、①銀行員による貸金庫格納品の窃取可能性がないか➁貸金庫室・貸金庫の開閉権限を、管理職を含む役職者に限定しているか➂定期的な自店、本部または第三者による検査の実施を定めているか――という着眼点が示された。
全銀協では、同18日に貸金庫の管理態勢強化を促す通達を会員行向けに発出。大手行や一部の地域銀では、通達の発出前に、自主的に貸金庫の管理体制を再点検する動きもあった。
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