マンスリーマーケット(1月) トランプ大統領就任で世界市場に影響大か
2024.12.23 04:35
1月は、20日に発足するトランプ米新政権の政策運営に対して市場の警戒が高まる月となりそうだ。トランプ氏は1月20日の就任後に中国に10%の追加関税をかけ、メキシコ、カナダにも25%の関税を課す大統領令に就任初日に署名する考えを表明している。実際に実施されれば、米国や対象国の経済に与えるマイナスの影響が懸念されるとみられ、最高値圏で推移する米国株をはじめ世界の株式市場全体に利益確定売りの動きが強まる可能性がある。
もっとも、輸入品価格の上昇を通じて米国のインフレ圧力を高めることにつながる関税引き上げは、米消費者の不評を買う恐れがあり、その後の関税引き上げペースには慎重姿勢を示すことも想定されることから、市場への影響は一時的にとどまる可能性が高いとみる。
こうしたなか、1月半ばから本格化する米主要企業の決算発表が米国株の下値を支えそうだ。12月6日時点で、S&P500企業の24年第4四半期のEPS(1株当たり利益)成長率は前年同期比7.5%増が見込まれている。10月初めの同10%増から下方修正されており、今回の決算に対する市場の期待値が下がっていることは支援材料といえるだろう。米主要ハイテク企業7社の増益率は20%を超えるとみられており、ハイテク企業が全体の業績をけん引する流れが続きそうだ。