中企庁、省力化補助金にテコ入れ 制度見直し利便性高める
2024.09.24 04:50
中小企業庁は、事業者による「中小企業省力化投資補助事業」(カタログ型省力化補助金)の活用促進に向けた施策を講じる。補助対象の拡大や要件緩和などを通じて、利便性向上に向けた制度設計の見直しを図る。補助金の認知度向上に向けて、9月以降は中小企業や支援機関を対象とした説明会も全国で順次展開する。
カタログ型省力化補助金は、専用のカタログに掲載した配膳ロボットや無人搬送車などを取り入れる中小企業に対し、導入するための経費の2分の1を補助する。申請から補助金を受け取るまでに一定の賃上げを実現した企業には、最大で1500万円を助成。6月下旬に受け付けを始め、随時募集している。
活用を後押しするため、10月にも、購入に限られていた補助対象をリースにも広げる。リースを活用してもらうことで、省力化製品の導入ハードルを下げる狙いなどがある。このほか、年内にも申請回数の上限を変更する。各企業で1回までとされていたが、補助上限額内であれば複数回の申請を受け付けられる態勢を整える。
47都道府県で開く説明会では、補助金の活用手法や申請のポイントなどを解説する。9月18日から10月4日は第1弾として、関東・甲信越エリアで開催している。
厚生労働省の調査では、人手不足が加速するなかでも、「省力化・外注化・下請化」に取り組む企業は20%に満たない。一方、「中小企業白書」によると、中小企業の5年間の売上高の変化率は省力化投資を実施した企業がプラス4.9%なのに対し、実施していない企業はマイナス1.8%。各地で人口が減り、労働力確保の難易度が増すなか、「収益の拡大を目指すには労働生産性向上が必須」(中企庁)となる。
中企庁関係者は「生産性向上による売り上げの拡大といった経営目線を持つ金融機関だからこそ、(事業者に対し)効果的に補助金提案できる」と強調。現在は飲食・サービス業向け製品が多いカタログの拡充にも本腰を入れ、地域金融機関が取引先の経営課題解決に向けて活用しやすい制度にしていく考えだ。
※この記事は2024/10/15にfree記事に変更しました。
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