【事業性融資推進法とは?】事業性融資推進法が成立、企業価値担保権創設へ
2024.06.07 12:46
「事業性融資推進法が成立、企業価値担保権創設へ」ニュースの要約
・事業性融資推進法が6月7日に参議院本会議で可決、成立
・企業価値全体を担保とする「企業価値担保権」が新設され、有形・無形資産を含めた事業全体が対象に
・金融機関や中小企業へ助言できる支援機関制度も導入
・法は公布日から2年半以内に施行予定
事業性融資推進法が6月7日、参議院本会議で可決、成立した。有形資産だけでなく、無形資産を含む事業全体を担保に設定する「企業価値担保権」を創設する。事業性融資の普及に向け、金融機関や中小企業に対して助言できる支援機関制度も導入する。公布日から2年半以内に施行する。
ニッキンONLINE編集デスクの目
事業性融資推進法は、企業の成長機会を支援して金融機関が企業の成長潜在力やビジネスの全体価値を評価する姿勢を促すものである。なお、支援機関制度の導入は、事業性融資の普及を後押しする重要な役割を果たすとみられている。
日本における事業性融資は有形資産を主な担保とするため、無形資産を主な資産とする企業は融資を受けるのが困難であった。特に技術やデジタル分野に特化した企業は、資産価値を示す有形財産が少なく資金調達の選択肢が限られた。
近年では製造業だけではなく、サービス業やIT産業のように無形資産の比重が高い企業も増えているため、従来型の不動産担保融資では企業の実態に即した資金供給は難しい。
ABL(Asset Based Lending)の普及によって在庫や売掛金を活用した融資手法が広がったものの、無形資産の活用には限界があった。そのため、2013年には「経営者保証に関するガイドライン 」が示され、経営者個人の保証に依存しない融資への転換が進められてきた。
事業性融資推進法は、このような流れを踏まえつつ、包括的な担保制度を確立するものである。中小企業やスタートアップ企業も融資を受けやすくなるだろう。
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