内田・日銀副総裁、正常化でETF購入「やめるのが自然」
2024.02.08 13:21![](https://img.nikkinonline.com/wp/wp-content/uploads/2023/07/日銀外観1.webp)
日本銀行の内田眞一副総裁は2月8日、奈良市内で講演し、金融政策正常化後の政策運営の方向性や手段に触れ、ETF(上場投資信託)やJ-REIT(不動産投資信託)の買い入れについて「やめるのが自然」との考えを述べた。マイナス金利解除後の短期政策金利に関しても、「どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくい」との見解を語った。
内田副総裁は足元の経済情勢などを踏まえ、賃金と物価の好循環が強まることを想定。2%物価安定目標実現への確度が「少しずつ高まっている」との見方を示し、関連統計や企業ヒアリングなど「さまざまなデータや情報を丹念に点検」して〝好循環〟を確認していく姿勢を訴えた。
そのうえで、2%目標の持続的・安定的な実現が見通せる局面での大規模金融緩和の修正時には、金融市場に不連続な動きを生じさせることがないよう、「コミュニケーション、オペレーション(市場調節)の両面で工夫していく必要性がある」と強調した。
マイナス金利解除後の短期金利の誘導策では、マイナス金利「導入前」の手段を例に挙げた。民間金融機関が資金を預ける日銀当座預金の「超過準備」(預け入れを義務づけている「所要準備」を上回る部分)に対して0.1%の金利を付利し、イールドカーブ(利回り曲線)の起点である無担保コールレートを「0~0.1%」に誘導。現行政策下の「-0.1~0%」から「0.1%の利上げになる」とした。
その後の利上げスタンスについては、米欧中央銀行のような大幅・急激な引き上げ行動を否定し、「きわめて緩やかなパス」を想定するマーケットの政策金利見通しを支持した。
イールドカーブ・コントロールの見直しについても連続性を重視。枠組みの廃止・変更時は、市場の自由な金利形成を「より尊重していく」との方向性を示しながらも、買い入れ額の大幅な減額による金利急騰などがないよう「丁寧に対応したい」との考えを示した。
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