マーケット・トレンド(株式) 好業績を反映したバブル後高値
2023.11.21 04:25
11月20日、日経平均株価は一時、7月につけたバブル経済崩壊後の高値を上回った。その後は為替市場で急速に円高が進んだことなどから自動車株などが売られて結局、日経平均は下落して終わったが、午前の取引時間に前週末比268円高の3万3853円まで買われ、1990年3月以来33年8カ月ぶりの高値を更新した。
4〜9月期の決算発表が一巡したこのタイミングでバブル後高値をつけたのは、企業業績の好調さを素直に評価して買いが集まったからである。
先週末の時点で、日経平均を構成する225社について9月末との比較を行った。10月に決算を発表した2・8月決算の小売りなども含んでいる。225社の通期計画(非開示分はコンセンサス予想)を集計すると、純利益合計は9月末の36.8兆円から、11月17日時点で39.2兆円と2.4兆円(6%)増加した。
225社中、92社(全体の40%)が通期の利益を上方修正した。一方、下方修正はその半分以下の41社(18%)で2割にも満たない。
この結果、日経平均の予想EPSは急上昇した。株価上昇はEPSの上昇分を素直にトレースしただけである。今期の企業業績は13%増益が見込まれており、予想EPSはまだその水準に達していないことから、株価はさらに上伸する余力を残していると考えられる。
マネックス証券 チーフストラテジスト 広木 隆氏
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