定期預金金利、引き上げ拡大 関東地区中心に東海・関西へ 信金にも波及
2023.11.13 10:36
長期金利の上昇を受けた定期預金金利の引き上げが全国に波及し始めた。大手行の改定を受け、首都圏の地域銀行が11月13日、引き上げた。神奈川県内や静岡県内の地方銀行も動き、さがみ信用金庫や豊川信用金庫が見直すなど業態を問わず引き上げが広がりつつある。(詳細はニッキン金利情報に)
11月13日に見直したのは合計18行庫。大手行は、みずほ銀行やりそな銀行、埼玉りそな銀行、みずほ信託銀行が引き上げた。みずほ銀は期間3年0.025%、4年0.050%に上げ、5年以上を引き上げた他メガバンクより幅広い期間を見直した。従来は期間を問わず、0.002%だった。先行した三菱UFJ銀や11月9日に引き上げた三井住友銀は5年以上を引き上げていた。
地域銀は1都3県の地域銀行を中心に広がってきた。11月13日に改定したのは12行。関東地区地銀では、足利銀行、常陽銀行、千葉銀行、きらぼし銀行、横浜銀行が上げた。そのほか、静岡銀行とスルガ銀行、関西みらい銀行が引き上げた。第二地方銀行では京葉銀行、東日本銀行、神奈川銀行、みなと銀行が見直した。
信金界にも波及し始めた。神奈川県のさがみ信金や愛知県の豊川信金は近隣の地域銀が引き上げに伴い改定したとみられる。
各行庫の引き上げは期間5年以上が中心。先行した三菱UFJ銀が5年と6年ものを0.07%、7~9年ものを0.10%、10年もの0.20%としており、この水準にそろえる動きが広がっている。
改定の動きは日本銀行が10月31日、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の再修正を決めたのがきっかけ。YCC修正に伴う長期金利の上昇を受け、引き上げる動きが広がっている。今後も全国に波及する可能性が高い。
引き上げの中心である期間5年以上の預金残高は銀行界全体の1割に満たず、引き上げても収益への影響は限定的であり、追随の動きが波及しやすい面がある。
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