マーケット・トレンド 直近の急落は一時的な需給が要因

2023.10.10 04:30
株式市場
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日経平均株価は9月半ばにつけた直近の高値から、10月4日までの半月あまりで約3000円も下落した。特に9月の権利落ち日(28日)からは5日続落し、この間の下げ幅は1845円にも及んだ。高値直後からの下げは米FOMCを受けてのものだが、権利落ち日からの急落は明らかに日本株市場独自の動きだ。


例年、9月期末を挟んでは荒い値動きになりやすいが、背景には年金等機関投資家の資産配分のリバランスの影響があると指摘されている。今年は特に上半期に日本株の上昇率が高かったため日本株のエクスポージャーをより大きく減らす必要があったのだろう。どのようなメカニズムかは解明できていないが、このリバランスの影響は期をまたいでも続くようである。


今年と同じように上半期に大きく株価が上昇したアベノミクス相場の2013年も9月末に大幅安となったが、10月に入ってからもしばらく株安が続いた経緯がある。今年はさらに高配当株などのバリュー株物色に傾いていたこともあり、それが権利落ちを契機に一気にポジションの巻き戻しが入ったということもあるだろう。


いずれにせよ、これらはすべて「持ち高調整」という一時的な需給要因であり、日本株の良好なファンダメンタルズ--すなわち、日銀の金融緩和や企業の資本効率改善に向けた取り組み姿勢、円安による業績上振れ期待などは変わっていないため、早晩、上昇基調に回帰するだろう。


マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆氏

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