円安対策としての政策修正はあるか?
2023.10.03 04:25![](https://img.nikkinonline.com/wp/wp-content/uploads/2023/10/マーケット・トレンド熊野氏-1.webp)
9月の決定会合後、植田総裁はばっさりと年内利上げの可能性を切り捨てた。これで円安が再び進むと思っていたら、その通りになった。米国のFOMC(連邦公開市場委員会)で、2024年末の政策金利見通しが前月(4.6%)から5.1%へと引き上げられたこともある。米長期金利が上昇して、ドル高円安になるという展開でもある。
筆者は、日本政府の為替介入がいつ実施されてもおかしくないとみる。2022年9-10月のように介入があれば、ドル円レートは150円から130円台へと押し戻されるだろう。
問題はその後である。仮に、130円台まで行けば、日本国内からドル買い圧力が相当に強く働く。それは円安予想が高まるからだ。筆者は、円安方向へのリバウンドは意外に早く、かつ大きいとみる。2022年のときは、12月に日銀が突如長期金利の変動幅の上限を0.50%に引き上げた。それで円高は長く続いた。
今回、日銀がマイナス金利解除に言及することがなく、為替介入だけであれば、割にリバウンドは早いとみる。見当をつけると、為替介入後に円高に振れて、12月の決定会合くらいまで何の示唆もなければ、130円台から140円台まで押し戻されるだろう。これは困るというのならば、日銀は円安を意識した政策修正に動くだろう。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野英生氏
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