監視委 三木証券の処分勧告 高齢者の適合性無視

2023.09.15 18:03
金融庁 行政処分 預かり資産
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証券取引等監視委員会は9月15日、高齢顧客に対する適合性原則の違反が見られた三木証券(東京都)に行政処分を出すよう金融庁に勧告した。経営陣が極端な収益至上主義に走り、認知判断能力が明らかに低い顧客に外国株式の取引を積極的に勧めている実態が検査で明らかになったため。


監視委によると、営業赤字が続いていた同証券は2020年度から米国株の販売を積極化。手数料収入を稼いだ社員を極端に高く評価する仕組みを導入し、不適切な営業を助長させた。異論を持つ社員は取締役会の決議を経ずに営業部門の判断で降格させるなど、就業規則の無視も横行。社長はコンプライアンス部門の人員削減も主導的に進めていた。


営業現場では、会話がかみ合わなかったり、数分前の会話を覚えていない顧客に米国株の売買を促す行為が見られ、検査では少なくとも18人との取引で問題が確認された。顧客が支払った手数料は、最も多いケースで1460万円にのぼる。8カ月で33回にわたって売買を繰り返させられた顧客もいた。


監視委が適合性原則違反を指摘して勧告を出すのは今年に入ってから2回目。6月には千葉銀行などの仕組み債販売で見られた問題を指摘し、金融庁の業務改善命令につながった。

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