アイオー信金、融資先3000社に本業支援
2023.09.12 04:50
アイオー信用金庫(群馬県、清水克美理事長)は、融資先企業全3000社を対象にコロナ禍後の本業支援に力を注ぐ。経営者面談を基に、デジタルトランスフォーメーション(DX)や電気自動車(EV)化などの課題解決を支援。「5年後をめどに“ファースト・コール・バンク”を実現したい」(清水理事長)。
渉外係50人は経営者との定例面談で月々の売り上げを確認し、キャッシュフローなど財務面を把握。同時に成長や第二創業など本業支援につながるニーズも聞き取り、各業種に沿った支援メニューを提供していく。こうした活動を通じて「顧客に必要とされる“強い渉外係”を育成する」(清水理事長)。現在6人が在籍する中小企業診断士の力も生かす。
自動車・航空宇宙メーカー「SUBARU」が太田市に主要生産拠点を構えるなど、同信金の営業地域には自動車部品メーカーが集積する。このため、ハイブリッド車や電気自動車への移行に伴い新事業に挑む企業には、投資ファンドによる支援を検討する。具体的には2024年度以降、新設会社を通じてファンドを組成し、資金供給に加えて技術力の評価や支援スキーム構築などの支援をめざす。
DXを課題とする企業には「DXフォーラム」を活用する。12月7日に開催予定の第2回には初回を大幅に上回る約60社が出展し、取引先とのビジネスマッチングも本格化。ドローンや無人店舗、スマートグラスの体験コーナーも設ける。人手不足や職員の高齢化に悩む建設業界への提案も強化する方針。
一方、経営改善を課題に持つ要注意先などには、本部職員を中心に1先当たり2カ月かけて新規事業や成長戦略を含む100ページ程度の改善計画書を安価な手数料を得て策定。すでに3先を手掛けている。また、法人の破綻懸念先は、①徹底した支援で要注意先へのランクアップが見込める先②営業店がキャッシュフローの動きを追って管理する先③M&A(合併・買収)や事業分割など整理先――に区分し、1社でも多くの改善を後押しする。
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