いまさら聞けない時事用語 グリーン&ブルーファイナンス
2023.05.28 04:30
再生可能エネルギー事業や省エネルギー事業など、環境保全に役立つプロジェクトに調達資金を充当する債券やローンをグリーンファイナンスという。その中でも特に、海洋環境保護につながるプロジェクトに使途を限定した投融資をブルーファイナンスと呼ぶ。ESG(環境・社会・ガバナンス)関連の投融資に積極的な金融機関が、主な資金の出し手となっている。
森林と同じように、海も二酸化炭素(CO2)を吸収する。CO2は水に溶けやすく、海に溶けた CO2は海草や海藻(かいそう)の光合成に活用される。人間が排出するCO2のうち、地球全体で吸収される総量は約158億トン/年であり、その6割を海が吸収している。
国内企業によるグリーンボンドの発行実績は、2022年に2兆327億円(95件)となり、17年からの5年間で9倍に増えた(環境省調べ)。ブルーボンドは、22年10月にマルハニチロが国内で初めて発行。発行額は50億円で、償還期間は5年、金利は年0.55%だった。
グリーンファイナンスには必ずしも明確な定義がなく、資金調達する企業などの自己申告がベースとなるが、自主的ガイドラインであるグリーンボンド原則(14年1月策定)やグリーンローン原則(18年3月策定)が公表されてから市場拡大が加速した。
22年1月には、これら原則に準拠する形で世界銀行グループの世界金融公社(IFC)が「ブルーファイナンスのガイドライン」を公表しており、海洋関連の投融資についても今後の拡大が期待されている。
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