筑後信金、本業支援「質」向上へ 情報共有の評価方法変更
2023.05.16 19:43
筑後信用金庫(福岡県、江口和規理事長)は、本部と営業店の連携を生かし、事業先が抱える支援ニーズの共有や解決策の協議、人材育成に取り組んでいる。2023年度からは情報共有の評価方法を変更。事業先に提供するソリューションの〝質向上〟を目指す。
取引先支援を担うのは企業サポート部に所属する企業サポート課の5人。各店の渉外係は、把握した取引先の支援ニーズを「経営相談マッチング管理シート」に記載。同部に提出する。
シートを基に同課の職員と渉外係が対応策を協議。信金中央金庫の情報共有プラットフォームへの登録、金庫内イントラネットでの情報発信など、個々の課題に応じたソリューションを同課の職員が渉外係に助言する。
22年度には、業務統括部と連携し営業店評価における本業支援の割合を6割とし、シート提出で加点する方式とした。各店の情報共有が活発化し、企業サポート部は23年3月末まで721件の相談に対応。21年度比で2倍以上となり、人手不足や不動産の売買などが主な相談内容となった。
23年度からはシートの評価方法を変え、人事・労務と不動産に関する相談は解決策実行のみを評価。2項目の厳格化には「人手不足、不動産に関する課題の裏にある、業務効率化や事業拡大など〝真の課題〟を解決してほしい」(企業サポート部)狙いがある。
スキル向上への人材育成策として、渉外係が支援業務について学ぶ「トレーニー制度」を実施。1人当たり3日間、同部に入り、シートに基づく解決策の検討や金庫内での情報発信を実際に行う。1~3月は7人で実施。5月からは規模を広げ、11人を受け入れる。
また、6月以降には外部講師を招き、スモールM&A、業種別支援の着眼点に関する研修を予定。同部は「より高度な解決策を提供できるよう、金庫全体でレベルアップを図る」としている。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 西京銀、口座開設効果で給振1000件 サービス拡充、流出防ぐ
- 七十七銀宇都宮法人営業所、東北へのつなぎ役に徹する 開設2年で融資170億円
- 三菱UFJ信託銀、低コストPEファンド 1~4号累計で900億円
- 金融庁、信金・信組の顧客属性調査 年齢と預金額把握へ
- 金融庁、サステナ情報開示義務化 SSBJ基準適用
- 都銀、貸出金利引き上げ先行 地銀上回る月も
- 新潟県信組と興栄信組が合併、2026年11月に 基盤拡充と効率化
- 肥後銀、「オペレジ」確保を高度化 勘定系バックアップ平日稼働
- ひろぎんHD、女性登用へ階層別研修 役員面談で意識改革
- 【ニッキン70周年企画(1)】三井住友FG、「オリーブ」開発のキーマンにインタビュー