北海道 地方への人の循環を作り出す 北海道むかわ町における 高校・大学・地域の連携事業
2025.08.31 19:50
日本全国の地方部が共通して抱える課題の1つに、地域からの“若者の流出”がある。この課題に対して、高校における「探究型学習」の時間を活用しながら、高校・大学・地域の3者が連携して地域で活躍する人材を育成し、人材循環の仕組みづくりを進めているのが、北海道むかわ町である。高校・大学・地域の連携事業がスタートして3年が経過した現在、3者の連携は当初の想定以上の広がりを見せている。
地域の魅力を学ぶ「むかわ学」
日本全国の地方部においては、地域の若者が高校や大学への進学や就職などを機に町から転出し、そのまま地元に戻らず、社会減になっている市町村が多い。若者が一旦地域外へ転出したとしても、高校や大学卒業後には地域の魅力を感じ、将来の地域の担い手として戻ってくる環境を、地域においていかに作り上げるかが地域の持続的な発展を考える上で重要である。多くの市町村と同様に若者の転出の課題を抱えていたのが、今回紹介する北海道むかわ町である。
同町は、新千歳空港から車で約45分の位置にある農業・漁業の町であり、特産の「鵡川ししゃも」や国内最大の恐竜全身骨格化石「カムイサウルス・ジャポニクス」が発掘されたことでも知られている。人口は1960年の1万9,859人をピークに減少を続けており、2025年では約7,200人となっている。2018年に北海道胆振東部地震が発生し、建物倒壊や山崩れなどにより多くの被害が発生...
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