<鉄鋼・非鉄金属 製造業>2025年度 目利きのポイント 〔山田コンサルティンググループ 横地 綾人〕
2025.04.30 19:14
2025年度の天気予想 <曇り>
目利きのポイント
● 鉄鋼市況は需給軟調。中堅・中小企業は薄利に苦しむ
● トランプ関税は輸出減少リスクに。中国材流入の可能性も
● 普通鋼電炉、コイルセンター、鋳造などは再編で高収益に
鉄鋼大手は高水準の賃上げ続く
鉄鋼・非鉄金属業界は、自動車や建設業向け、さらには半導体材料等あらゆる産業を支える基盤産業だ。しかし、業界構造はいびつである。日本製鉄やJX金属等の一部大企業を除けば無数の中堅・中小企業で成り立つ。金属加工や流通業など地域経済を支えているが薄利に苦しんでいる。
物価上昇の価格転嫁は厳しい状況だ。図表の通り、需給を反映して鉄鋼市況は低下傾向にある。材料価格の転嫁は進んでいるが、労務費は製品ごとの原価算出が難しく、生産性改善で吸収すべきという風潮もあり、転嫁が進みにくい。中小企業庁や公正取引委員会も交渉指針を出しているが転嫁は道半ばだ。
鉄鋼大手春...
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