終戦は、銀行業のみならず、預金者にとって過酷な試練であった。新円切替と預金封鎖は、インフレを抑えるための施策であったが、結果として預金者に負担を強いる政策であった。長短期金融の分業体制が整備されるなどGHQ主導の抜本的再編が施されたなかで、貯蓄運動を通じて銀行制度に対する預金者の信認を確保していく。苦難を経た制度の再構築こそが、日本経済の再出発を支えることになった。戦後80年を契機に、終戦後の日本...