トランプ関税に左右されない 傾聴して待つ「本業支援」
2025.04.30 19:50
金利のある世界への回帰が進むなか、銀行セクターでは預貸金利ざや改善に伴う業績回復期待が高まっています。預貸金利ざやの改善には貸出金利の円滑な引き上げが必要です。しかし、実際の貸出金利の引き上げ幅を見ると都市銀行と地方銀行、信用金庫で大きな差が認められます(図表)。貸出金利の円滑な引き上げには取引先の金利上昇への耐久力を高めること──。収益力の底上げが不可欠です。カギを握るのは「本業支援」です。
本業支援の力が弱まっている
多くの銀行は本業支援に取り組む姿勢を見せていますが、進捗は芳しくありません。本業支援は銀行業の根幹ですが、金利なき世界が10年以上も続いたことで肝心の本業支援の力が弱まっているからです。
要因の1つは融資の長期化です。2002年の金融検査マニュアル改訂で、必要な運転資金を超える短期継続融資(短コロ)が問題視され、多くの銀行は短期継続融資から保証付き長期融資(証書貸付)...
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