在日米国商工会議所 大隅 ヴィクター 会頭【顔】
2025.03.31 19:50
会頭2025年1月に2期目を迎え、日米双方のFDI(海外直接投資)促進に力を入れている。約600社、3,000人の会員組織として、日米ビジネスの架け橋としての役割を果たしていく。
FDIの促進には、「ベストプラクティスの活用が重要なアプローチ」と強調。「ツーリズムはコロナ禍までは経済における1つの歯車でしかなかったが、人流を増やすことが経済にとっていかに重要であるかということが、コロナ禍で分かった。
人と人が会うことは電話会議やバーチャル空間では成しえない非常に重要なビジネス環境の1つであり、新たな投資を生む可能性を高める」と話す。
日本企業の課題には、コーポレートガバナンスの強化を挙げ、正しいガバナンスが企業価値を高めると指摘。資産運用立国に向けた昨今の日本の取り組みを評価しつつ、「資産運用の高度化にはさらなるマインドチェンジが求められる」と。
地域金融機関には、「日米間には450を超える姉妹都市関係がある。地元を愛する企業の1つとして姉妹都市との交流に参加することは、日米のFDI増加に寄与することにもつながる」と期待する。(聞き手=本誌編集長 松井 秀観)
日米双方のFDIを促進
――会頭として2期目を迎えたが。
時代の変化に遅れをとらない動きを意識しながら、日米のビジネスの架け橋として役割を果たしていく。重視している取り組みは、日米のFDI(海外直接投資)促進だ。日本企業が米国に向けた投資を増やしている状況下で、双方向でFDIが増加する流れを加速したい。
当会議所の会員は現在、約600社、3,000人。高スキル人材や若手人材、起業家も多く、彼らが日本で生活しやすい環境を作ることも使命の1つだ。
そのためにも、経済安全保障における協力は不可欠。2025年2月の石破茂首相とトランプ大統領による日米首脳会談でも主要なテーマであり、協力体制の強化には基本的価値観を共有する国同士の連携が必要。我々も日米政府はもちろん、各国商工会議所などとも価値観を共有し、協力を深めていく。
――FDI促進に向けて必要なアプローチは。
ベストプラクティス(最良の事例)の活用が重要なアプローチになってくるだろう。例えば、人流の活性化は新たな投資を呼び込む要素となり得る。ツーリズムは、以前は経済における1つの歯車でしかなかったが、コロナ禍を通じて、人と人が直接会うことは電話会議やバーチャル空間...
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