製造業の弱体化はあってはならない。潮流を知り、地域が廃れない支援を
2025.03.31 19:50
明治維新以降の日本の産業発展を記録し、ものづくりの大切さを次世代に伝える産業遺産情報センター。国内の基幹産業発展に向け、脱炭素への対応や安定電力の重要性、そして銀行に求められる姿勢について、加藤康子センター長に聞いた。
「鉄は国家なり」で興した奇跡
──産業遺産情報センターの役割は。
当センターは、幕末から明治の後期にかけて、日本が半世紀で工業立国の土台を築いた産業日本勃興の道程を、重工業を中心に紹介する施設だ。世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」を紹介しつつ、基幹産業がもたらす繁栄と、産業が廃れたあとの地域の姿についても学べる機会を提供している。
私は大学院時代に渡米して以来、世界の企業城下町の栄枯盛衰に関わる研究を続けている。
例えば鉄鋼業で栄えたフィラデルフィア郊外にあるモンバレーでは、川沿いの高炉がどんどん閉炉になっていくなかで、鉄鋼王のカーネギーがつくった素晴らしい...
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