新たな防御策 「能動的サイバー防御」導入の狙いと影響 自組織システムの“全体像”把握を

2025.08.31 19:53

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サイバー攻撃は、この20年ほどの間に経済的利益や政治的優位性の確保などを目的として、高度化した。2025年の証券会社へのサイバー攻撃は、3,000億円以上の不正な取引につながり、その脅威を改めて認識する機会となった。同年5月に成立したサイバー対処能力強化法は、政府が攻撃による被害顕在化の前に、重要インフラを含む民間で利用されるコンピューターを保護することを可能とする。本稿では、その狙いと金融機関への影響を解説する。


組織化された「アクター」の脅威


サイバー空間における脅威は、攻撃を行う行為者(アクター)の性質と目的の両面で変化した。2010年代以降、アクターは組織化され、技術も一層高度化した。思想、経済、国家的な目的を背景に活動する組織が主流となり、規模も数人から数千人までと多様である。


例えば、経済的動機を持つ攻撃者は、検知されにくい手法でシステムに侵入し、暗号資産のマイニングを行うなど...

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