久元神戸市長「基幹産業“振興”へ活力ある支援を」行政の視点での提言

2025.03.31 19:50

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地方衰退が危惧されるなか、基幹産業を軸にどう地域経済を活性化していくべきなのか、地元を基盤に金融サービスを展開する銀行は、そこでどのような役割が期待されているのか。神戸市長であり、指定都市市長会会長を務める久元喜造氏にインタビューを行った。


全国の政令指定都市の中でも有数の成長を遂げた神戸市。阪神淡路大震災から30年を迎えた同市の発展の軌跡をたどりつつ、企業成長に資する政策・まちづくり、そして銀行に求める姿勢など、指摘は多岐にわたった。神戸市の姿を通じて、地域発展のヒントを探っていきたい。



 


「産学官金」連携をコーディネートする


──地域経済において基幹産業の育成や盛り上げることの重要性を教えて下さい。


地域経済を活性化していく上で、核となる基幹産業を振興していくことはとても大切だ。行政もサポートをしていくが、まずは民間部門が活力を生かしてもらって主体的、主導的に取り組んでもらうことが重要になる。

生産年齢人口が減少するなかで、中堅・中小企業では最新のテクノロジーを取り入れて生産性や効率性を高め、ビジネスを進化させていかなくてはいけない。優秀な人材を確保して、育成していく必要もある。高い技術力を持つ企業では事業継続に向けて、志のある後継者にしっかりと受け継いでいくことも地域経済にとっては重要な課題になる。


──神戸の基幹産業やものづくり企業の軌跡を教えて下さい。


神戸の発展は、1868年の開港から始まっている。開港5港(函館、新潟、横浜、神戸、長崎)の1つだった神戸では、まずは港湾設備が造営され、海運や倉庫業が始まり、戦前、戦後を通して川崎重工業、三菱重工業、神戸製鋼所などに代表される重厚長大のものづくり産業が発展した。


さらに、これらの大企業との取引を通して技術を磨いてきた中小企業も多く集積し、地域の産業を支えてきた。

高度成長期には世界的な貿易に占める神戸港の役割は飛躍的...

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