豊臣秀吉時代の調査から 様々な地域とつながる研究所〔東京大学史料編纂所〕
2025.09.26 19:50
私が所属している東京大学史料編纂所(以下、編纂所)は、東京に所在する、日本の歴史に関する研究所なのだが、その活動範囲は東京だけにとどまらない。全国の自治体・研究機関等と密接に連携して活動を進めているため、歴史研究を通じて各地域に貢献していくポテンシャルを持った研究所なのである。
また活動の過程では、各地の金融・経済の歴史について考える機会もある。編纂所は具体的にどのように全国各地と連携し、貢献をしているのか、金融・経済関係古文書の紹介も交えつつ、このシリーズで述べていきたい。
朝廷、経済、何でも集める
編纂所とは、簡単に言えば、日本史に関する史料集を編纂している研究所である。過去の人々が残した古文書を集め、史料集の形に整えて、広く公開していくことをミッションとしており、それによって歴史研究の基盤を固めていくことを目指している。
史料集作りが始まったのは明治時代からで、これまでに1,20...
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