Z世代にとっての公的年金と老後の生活
2025.08.31 19:50
前月号では、2025年6月に可決された年金制度の改正法案について、適用拡大の進展や基礎年金の底上げ、今後の議論の余地などについて説明した。9月号では、労働力稀少社会におけるZ世代のライフプランニングについて、将来受け取る年金給付が増える可能性に触れつつ解説する。
「失われた30年」に見る労働需給と生産性の変化
Z世代とは、現時点では10代から20代後半であり、社会人になっているとしても日が浅い若者だ。Z世代にとって、自分たちの将来はどう見えているだろうか。彼らが生きてきた時期は、日本経済が停滞した「失われた30年」と大きく重なる。賃金が上がらないという時代が続き、デフレでなくなったと思ったら、今度はインフレで生活が脅かされている。将来について楽観的にはならないだろう。
しかし、今、Z世代の将来を明るくするのではないかと思わせる現象が生じている。本格的な労働力稀少社会の到来、平たく言えば人...
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