【理事長プレゼンシリーズ】日新信用金庫 目指すは“地域でいちばん働きたい会社”!

公開日

2025/01/25


2024年8月に、信用金庫を対象とした次期リーダー候補をサポートする「わたしと組織のマインド改革プロジェクト」を始動。全国の信用金庫から選ばれた女性職員7人が、男女の職務分担へのバイアスや仕事と子育ての両立など女性活躍推進に関する現状の課題を洗い出し、解決に向けてそれぞれが動き出した。11月にはそれぞれの信用金庫で抱える課題とその解決策をまとめ理事長に提言した。


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プレミアム記事では、7人の女性職員が理事長に提案したもようを紹介する。
5人目に紹介するのは、日新信用金庫経営企画部副課長の幸福真美さん。女性渉外担当の定着が始まったなかで、アンコンシャス・バイアスの解消を訴えた。




提言内容の一部始終は、プレミアム動画に掲載。



働きやすいに男性も女性もない!
幸福さんは、プロジェクトの取り組みの説明に続き、“地域でいちばん働きたいと思われる会社にしたい!”という自身が考えたテーマを掲げた。その背景には、男性は外勤、女性は内勤というバイアスを感じるなか女性渉外担当の定着開始があった。女性渉外を増やすためには「男女関係なく、適材適所の配置で性別により仕事内容が区別されない状況を作っていくことが重要だと思います」と。


 




提案を検討するにあたり、女性総合職の座談会を実施。職員からは、渉外担当に関するさまざまな不安の声があげられた。幸福さんは職員から出された「いつ渉外担当になるのか」「渉外は残業が多く、ワークライフバランスが保てない」などの不安の1つひとつに対する解決策を盛り込んだ。その1つとして「預金業務が長くなればなるほど、渉外への不安は高まる」とし、「入庫半年間の見習い期間は内勤、その後渉外担当者のアシスタントとして最低半年間、帯同訪問し自分の渉外スタイルをみつけてもらう」ことを提案した。

さまざまな女性からの不安や悩みを解決に導くための幸福さんの提案は、“キャリアパスとキャリアプランの作成”。組織としてキャリアパスを作成し、目標を設定できるようにしたうえで、職員がキャリアプランを改めて考えなおす機会を作る。そして上司と会話することにより、本人の適正やモチベーションを考慮し勤続年数にかかわらず業務配置を行なう。







◇提案後のインタビュー骨子


――女性職員から直接提案を受けた感想は

山本理事長:率直な意見として今回の提案は、我々が持つ問題認識とほぼマッチしていると思っています。私自身、今、各営業店を訪問しており、若い総合職の女性の方から非常に厳しい意見をいただいてます。もちろん提案資料の中で書かれているような内容も入っています。若い人たちの意見は、僕らの感覚とかなり違っており、それをいかに埋めていくかが、悩ましいところです。時間はかかるかもしれませんが少しずつそういう動き方になりつつあるというふうに思っていますし、これからも変えていかなければいけない。皆さんの知恵を借りながらやっていきたいなと思います。幸福さんからの提案をもとに改めてどうしていくべきか金庫の課題としてしっかりと受け止めていきたいと思っています。


――女性活躍推進全般的にはこれまでの取り組みの評価

山本理事長:いろいろな行事ごとにテーマを与えて、本部だけでなく営業店の方、それも若い方から年配の方、女性も含めて、手を挙げていただいて、議論に加わって実行に移す活動をどんどんやってます。自分の意見を言ってそれが実現することがわかってきたことで金庫や地域に対して、“自分は役に立ったんだ”という思いが生まれてきていると思います。今回、50周年の来店感謝デーを実施しました。今までは本部がこうしなさいああしなさい、日にちを決めて粗品から何から全て本部が決めてやっていましたが、今回は全て営業店にお任せしました。その結果、何が起こったかというと、飾り付けとか衣装を含めて、女性の方の意見も出てきて、全36カ店がそれぞれ独自に準備し実施しています。女性の発想や考え方とかを盛り込み、協力しながらやったからこそ大成功できたと思っています。お客さまに感謝をするところが、逆にお客さまから“ありがとう”とか応援メッセージをいただいたりで“やってよかった”という思いを持った営業店がたくさんありました。そういうことが一つのスタートになるかどうかは分かりませんが、職員が生き生きと活躍できる場にしていけば、その地域から選ばれる金融機関であり続けることができると思っています。また、そういったところを今後も目指していきたいと思います。




――現在の問題意識は

山本理事長:支店の渉外役席の方が女性渉外をどのように育てていったらよいのか。今までは渉外は男性でしたから男性渉外を育てる経験は備えています。女性の若い部下に対しても同じように接していけばいいのですが、ちょっとした遠慮があったり、男女の差などを感じながら接していると、悩んでいる渉外役席の声も聞いています。これまでは支店長が悩んでいるのだろうと思っていましたが直属の上司となる渉外役席が困っていることを知りました。それに対してはティーチング研修などの導入も考えていく必要があると考えています。加えて、女性の方が渉外担当に対して非常に不安がっていることです。私たちは、預金のことや融資のことを一通り経験、勉強した中で、外に出てもらうという親心の気持ちでやっているのですが、本人からするとそれだけでは不安が取れないことがわかり、これからいろいろな意味でコミュニケーションを取りながら、模索しながらお互いが寄っていくように進めていかないといけないと改めて感じています。


――働くうえでの目標などは

幸福さん:営業店から本部に異動しましたが、本部職員はやはり営業職員のために働く、営業店の職員が働きやすい環境づくりを手助けすることが一番の仕事だと思っています。そこは絶対ブレずにいたいと思っています。そうすることでお互いが思いやりのある金庫の風土が出来上がり、ひいてはお客さまに接するときにも「日新さんって雰囲気いいね」というふうに言ってもらえると思います。そのような風土作りができればいいと思っています





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