第1回 ”非言語”を味方につける~目線・表情・姿勢・声~

公開日

2025/07/07

金融機関の現場ではいま、取引先との関係構築において「コミュニケーション力」の重要性が高まっている。
商品を伝えるだけでなく、相手の声に耳を傾け、信頼関係を育むにはどのようなことを意識して相手と向き合うべきか――。
その手がかりとなるのが「コーチング」の考え方だ。

日々、企業の経営者や組織のリーダーにコーチングを行っているプロのコーチは、どのようなことを意識して対話に臨んでいるのか。
シリーズ「顧客と信頼関係を築く対話の技術~今日から使える4つのエッセンス~」では、エグゼクティブ・コーチングの国内リーディングカンパニーである
コーチ・エィ会長の鈴木義幸氏が相手と信頼関係を築くコミュニケーションの4つのエッセンスを伝授する。


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「人は、自分に好意を持って近づいてくれる人を好きになるものです。例えば訪問先で名刺交換をするとき、一歩、二歩こちらから踏み出して『今日はお時間いただいてありがとうございます』としっかり伝えるだけでも、印象は大きく変わります。非常に基本的ですが、これはとても重要です」


相手を安心させる「目線」と「表情
人は初対面の相手をまず目で判断する。しかし、ただ凝視すると威圧感を与えてしまう。
「武道では『八方目』という考え方があり、頭の後ろに目があるように意識し、全体を柔らかく見るイメージを持つと目が優しくなり、相手も安心します」


また、口角を上げることも印象を大きく左右するという。「口角が上がっているかどうかで印象はまったく異なります」
笑顔は『私はあなたを攻撃するつもりがありません』というメッセージになり、自分自身もリラックスできる効果が期待できるのだ。


姿勢が内面と印象を変える
「猫背ではなく胸を張ると、自信があるように見えるだけでなく、自分の中にも自信が生まれます。心理学の実験でも、堂々とした姿勢の人のほうが周囲から信頼されるという結果が出ています」
ビジネスマンには、出来れば日常的に腹筋や懸垂などで体幹を鍛えることをおすすめしたいと鈴木会長は語る。


「動作は原則『ゆっくり』が大事です。名刺を差し出すとき、普段の半分のスピードを意識するだけで、落ち着いて見えます」
礼をするときも、言葉を言い切ってから頭を下げると美しく見える。「所作が整うと、『この人は地に足がついているな』と感じてもらえるのです」


は最大の印象武器
「声も非常に重要です。人は楽器のようなものなので、『良い声を出そう』と意識するだけで印象は大きく変わります。唇に少し緊張を持たせると、シャープで美しい音が出ます」
『今日お会いできてありがとうございます』『よろしくお願いします』といったシンプルな言葉でも、声の出し方次第で印象は全く異なる。


ノンバーバルが信頼の土台をつくる
目線、表情、姿勢、声といったノンバーバル(非言語)の要素は、相手に『この人は信頼できる』『一緒にいたい』と思わせる大きな力がある。
これを意識することで『話すに足る相手だ』と感じてもらえる土台を築くことができるだろう。


※詳しい内容は動画にて解説しています。


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次回もお楽しみに!