Vol.1 若手社員のエンゲージメント低下と離職問題の原因と対策

公開日

2023/08/13


昨今深刻化している若手社員のエンゲージメント低下と離職問題。金融界でも喫緊の課題として取り組む必要がある。社員のエンゲージメントを高めるWeb社内報を提供するourly(アワリー)がシリーズ「若手社員のエンゲージメント低下と離職を防ぐ “インターナルコミュニケーション”」を、5回にわたり解説する。今回は、若手社員のエンゲージメント低下と離職問題の原因と対策について見ていこう。



時代にそぐわないマネジメント
若手社員は、時代の変化に伴った新たな考え方やテクノロジーへのアンテナが敏感です。組織内で若手社員のエンゲージメントを高めることができれば、新たな業務プロセスやビジネスモデルを生み出すことにもつながるかもしれません。しかし、多くの企業や組織がエンゲージメント低下や早期離職に悩んでいます。


ourly

エンゲージメント低下が起こってしまう原因の1つに、日本社会に根強く残っている旧来型の価値観に基づいたマネジメントやコミュニケーションが、Z世代の社員にマッチしていないことが挙げられます。

Z世代の社員たちが重視するポイントは、自分自身の大切にしたいことや価値観、社会・環境問題など、これまでのビジネスパーソンが経験してきたことに対し変化する部分が大きいもの。そのため、社内のマネジメント・コミュニケーションを「これまでは通用していたから」と変化させないままでは、エンゲージメント低下や早期離職に繋がってしまうのです。

また、1つの業務や会社で長期的にキャリアを築いていくことに価値を感じない人も増えています。数年の下積み期間を経て一人前となり、同じ業務でスキルを磨き、昇進していくという長いキャリアサイクルを歩むイメージを持っていないことも原因です。



変化を恐れてはいけない
エンゲージメント低下や離職問題を防ぐための鍵を握るのは、以下の3つです。
①IT化・DX化など時代の変化に沿った業務プロセスの改善
②若手社員のキャリア観に沿った業務・教育設計の革新
③インターナルコミュニケーションの活性化と設計

まずは、IT化やDX化に目を向けましょう。Z世代は、インターネット社会のなかで育ってきています。時代の変化に伴った業務プロセスの改善は、エンゲージメントに大きく影響します。既存の業務プロセスに合わせるのではなく、新しい時代のなかで育ってきた社員に業務プロセスを合わせる意識を持ち、変化を取り入れることが重要です。

例えば、子どものころからITツールに触れてきたにもかかわらず、職場はFAXで文書のやりとりをしているとなると、これまで育ってきた時代背景とのギャップに驚いてしまうケースも少なくありません。

業務設計やキャリアに関しても、時代や社会にあわせてスピード感を高めることが求められます。原因の部分でも話したとおり、現在の若手社員は長いキャリアサイクルを歩むイメージを持っていない人がほとんどです。そのため、一人前になるまで何年もかかってしまうような業務・教育設計をするのではなく、入社してから数カ月で1人前として業務を遂行できるように業務・教育設計を革新することがひとつの効果的な対策となります。

インターナルコミュニケーションの活性化も、大きなポイントです。新しい時代に沿ってビジネスモデルを変革していくためには、若手社員のアイデアや力が必要不可欠。アイデアや意見を出しやすいコミュニケーションの設計や、働くことへの価値を認識できるようなメッセージをしっかり伝えていくことが、これから先の時代で重視されていくでしょう。

時代の変化を受け入れ、認識し、時代に合わせた変化を積極的に取り入れていくことが、エンゲージメントを高めるための1丁目1番地となるのです。


 


oourly髙橋 新平 氏(たかはし しんぺい)
ourly株式会社 取締役COO
WEB 社内報CMS「ourly」事業責任者。京都芸術大学非常勤講師。新卒でダイキン工業株式会社に入社。
技術営業として都内の再開発案件に多数携わる。その後、株式会社ENERGIZEに入社。
4年間主にベンチャー、中小企業の事業コンサル、組織コンサル等に従事して独立。
2022年4月からourly 株式会社へ執行役員CSOとして参画。2023年4月より現職。


 

髙橋 新平

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