【AD】EAJグループ 特許技術活用した戸籍・相続DX郡山市、富士通が「ミツローくん」採用
2025.09.26 19:50
エスクロー・エージェント・ジャパン(EAJ)グループ(EAJ、EAJ信託、サムポローニア)による戸籍業務のDX化が一段と進展している。
特許技術を駆使して、戸籍謄本から相続人の特定、相続関係説明図の自動作成などが可能になる「AI相続ミツローくん」を、福島県郡山市や富士通がその性能を評価し導入へ動き始めた。
メガバンクや地方銀行、信用金庫に対しても事務負担削減へ“戸籍の収集段階”から業務を丸ごと請け負うなど多様なBPO施策を展開していく。
郡山市が9月から実証実験
地方自治体では、固定資産税賦課業務で相続人の特定が必ず必要になる。特に登記簿上の所有者が亡くなると「誰が現にその資産を所有しているか」を把握し、納税義務者(相続人)を特定する必要があるためだ。全国で課題になっている空き家対策でも重要になる。
郡山市(椎根健雄市長)ではこれまで他自治体同様に、紙の戸籍謄本から相続人を特定する作業を職員が“人力”で行っていた。ただ、民法の専門知識が必要なことに加えて、相続人特定は「絶対に間違いが許されない」業務であることから大きな負担となっていた。
そこで注目したのが、サムポローニアが開発した相続財産管理システム「AI相続ミツローくん」だ。このシステムでは、戸籍謄本をAI-OCR技術で読み取ることで民法に即した相続人を自動で特定することが出来る。同じく相続関係図の作成、相続割合の計算も自動で出来る(画像)。
所要時間はわずか数分で完了するため、現行の紙ベース、手作業での事務負担の大幅削減、効率化につながる。
郡山市はこれらのメリットを踏まえ、実証事業連携協定を締結し、9月1日から実証実験を開始した(写真)。実験にあたってサムポローニアでは、郡山市の「情報セキュリティポリシー」にも合致する形で、オンプレミス環境でシステムを構築した。
作業に必要なPC設備を市に貸与し、データ移動含めて市役所内だけで業務が完結できるようにしている。
また、今回のシステム導入にあたり郡山市はサムポローニアが保有する戸籍解析などの複数の特許技術を“他社では再現できない”と判断した。
サムポローニアの竹内澄成社長は、「郡山市での実証実験を起点に、同じようにアナログで対応する全国1,700以上の自治体への横展開も検討していく」と話す。
戸籍の“収集”段階から代行
郡山市同様に性能を評価したのが、大手ITベンダーの富士通だ。金融機関向けの相続業務支援システム(FinSnaviCloud)の法定相続人自動判定エンジンとして「ミツローくん」の採用を決めた。
相続関係図の自動作成や相続人の特定、戸籍の連続性確認などを組み込むことで金融機関の相続事務の大幅な省力化につなげる。戸籍確認などはEAJ相続センターも情報面で連携する。
一方で、メガバンクや地方銀行では人手不足の強まりもあり、戸籍謄本収集についての負担も大きくなっている。そのため、EAJ信託では、戸籍収集業務をBPO(Business Process Outsourcing=外部委託)で受託し始めている。既に複数金融機関から受託している。
具体的な業務フローとしては、
- 銀行から委託を受けたEAJ信託が、死亡した口座保有者の戸籍謄本の収集を代行する
- 戸籍謄本をサムポローニアと連携・共有し「ミツローくん」で解析する
- 相続人特定、相続関係図などを作成するとともに、不足戸籍も「ミツローくん」の活用で識別が容易になることから、収集を代行する
- 戸籍情報について整合性が取れた内容で一式をそろえて銀行に納品する。
つまり、戸籍業務を丸ごと請け負う体制を構築している。
ただ、戸籍業務は相続人や顧客との接点になることから、全てを委託するのではなく「戸籍の確認、解析だけを委託したい」というニーズは根強い。
一方で、相続センターを設けている銀行では、収益を生みづらく“コストセンター”化していることを課題視するケースもある。そのため、EAJグループでは戸籍業務の部分的な業務委託に柔軟に対応していくほか、オンプレミス環境でのシステム提供にも希望があれば応じる。
将来的には銀行が保有する相続センターを雇用継続する形で丸ごと受け入れるような施策も検討する。
業務削減は“特許技術”が不可欠
大相続時代と言われるなかで、最近は戸籍業務を請け負う業者も増加傾向にある。ただ、自治体同様にアナログで対応しているのが実情で、業務を委託する銀行などにとって割高となるケースもあり、費用面でのメリットはほとんどない。
事務負担やコストの大幅削減効果を生み出すには、「AI-OCR機能などの特許技術の活用が不可欠になる」。そのため、他業者などに対しても「ミツローくん」の活用を促していきたい考え。